
総料理長の田中孝さんは、"お茶料理"の専門家。現在、裏千家や表千家といったお茶の先生を対象に専門的な料理教室を開いたり、クッキングスクールの先生に和食の基本を教えたりしているそうです。今日は、料亭料理の秘話やこだわりについて伺うつもりです。 |
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被かつぎ芋、空豆、昆布巻、白さ 海老 かますの一塩が並んだ 「焼物八寸」 |
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別名「鴨茄子」 京の丸茄子を使った料理 |
鱸(すずき)と甲いかの刺身 手前の赤色は海草 |
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「鱸(すずき)は今、1番でしょうね」と、田中総料理長。「刺身」(写真右)の中には鱸と甲イカが、透き通ったその身をぷりぷりと輝かせています。「料理界で"ブラ"と呼ばれる状態(=締まる直前のこと)が、おいしい刺身の鉄則です。魚は硬直した時点でダメになってしまうのです。」
新鮮なものほどたまらない甘さを醸し出すイカ。先日蒲刈町で食べた、釣りたての味に感動したばかりです。今日のこのイカは、現地のそれとまったく変わらぬ新鮮さ。抜群の甘さと食感に驚きを感じます。
器はどれも見事です。どのように仕入れているのかを伺いました。「どうしてもこだわりますね。」と答える田中さんは、続けてこう解説します。「世界中で日本の和食だけが、色々な材質の器を使用しているのではないでしょうか。竹の器あり、ガラスあり、磁器あり、陶器あり、漆あり…鉄までありますから。」なるほど、そうかも知れません。本日の懐石料理も、様々な材質の器に彩り美しく盛られています。「うちは"京もの"と"作家もの"が多いですね。」
繊細な「焼物八寸」(写真左・上)にため息をつきつつ、「中皿」の牛フィレステーキの柔らかさに舌鼓。まさに至福の時間です。お酒を飲みたい気分ですが、今日は車なのでグッと我慢、我慢(笑)。
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豪快な見た目に圧倒されたのが、「煮物」(写真左・下)の「京の丸茄子と海老の揚出汁」です。大きな茄子は、田中さんいわく「別名を"鴨茄子"という、京都でしか栽培されない茄子」だとか。京都の土壌にはミステリアスな面があるとも語ります。「不思議と京野菜はおいしい。しかも、京都でしか作ることができません。なぜかは分かりませんが…。」
また、同氏は鱧(はも)料理が京都で繁栄した理由を、こう説明します。「昔は、周囲を山に囲まれた盆地の京都市で、新鮮な魚を食べることは不可能でした。でも、首を切っても半日は生きられる鱧なら、新鮮な状態で食べることができます。唯一の鮮魚だったからこそ大切に扱われ、様々な調理が用いられたのでしょう。原産地・瀬戸内をしのぎ、鱧料理の本場と謳われても納得できます。」
高い地物より安価な台湾産の方がおいしい魚もあれば、釣りたてを生で食べるより冷凍後さっと湯通しした方がおいしい魚もあったり、同じ魚でも漁の方法によって市場価格が違ったり…など、目からウロコの情報をたくさん教えていただきました。ご興味ある方は、是非質問してみてください。
総料理長・田中さんのプロとしての話を伺い、食べ物の奥深さをさらに感じました。レトルト食品や冷凍食品の多い中、日本の食文化の伝統を継承してゆく必要性を深く感じました。
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